2014/12/21

夜露対策カメラ用結露防止ヒーターを自作しました

星景写真を撮るときに注意しなくてはならないのがレンズの結露です。
星景写真は夜中に撮るので夜露が起こりやすい。

結露の対処にはヒーターを使い、前玉レンズを暖めてあげれば結露はしないのです。

ネットで調べると自作のヒーターを販売されている方がいらっしゃいます。電気の知識の乏しい自分はこのようなモノを作れるのは凄いと思いましたが、それなりのお値段で売っております。

他の方法としてUSBのドリンクウォーマーを使うことも出来ます。巻き付けるタイプが一眼の大きいレンズにはちょうど良いようですが今は売っていませんでした。

小型のレンズにも使えるヒーターの自作をするために情報収集を行い試行錯誤をしました。先人達の情報では簡単に出来ているようでしたが、自分はかなり悩みながら作りました。。。(^^;;

なのでこれから作る人が分かりやすいように詳細を記載してみようと思います。

どんな工作なのか

電気コンロに使われるニクロム線を用意します。電池やスマホ用モバイルバッテリーで電気を通せば温かくなるシンプルな仕組みです。

先人達の知識を拝見すると自作の方法は主に2通りあるようです。

①ニクロム線を延ばしてから、マジックテープと両面テープでニクロム線を挟み、レンズに巻き付けられるようにする。図にするとこんな感じです。

②ニクロム線をコイル状のまま熱収縮チューブを被せて、レンズに巻き付ける。

②の方法だとサイズの小さなレンズの場合は、熱収縮チューブを被せたニクロム線をレンズに合わせて曲げるのが難しいです。大型の望遠鏡では使える方法のようです。

自分はこの2つの区別が分からないまま材料を購入してしまい無駄なものも買ってしまいましたが、①の方法で作成することにしました。

材料の購入

材料はホームセンターと100均で購入出来るもので用意しました。(値段は近所のホームセンター価格です)

ニクロム線 300W(ELPA PE-53NH) - 148円
300Wと600Wが売っていたが、細めの300Wが加工しやすく適していると思います。

電池BOX 単3x4本(ELPA UM-341NH)- 228円
バッテリースナップ(ELPA PP-18NH) - 108円
エネループがあるので単3x4本の電池ボックスで活用して安く仕上げる事にしました。
エネループは1900mAhなので4本で7600mAh。これで約2時間の使用が出来ました。
この電池ボックスはスナップで繋げるようになっています。電池ボックスにケーブルが付いてるタイプもあるのでお好みで。

電池を買う必要がある場合はモバイルバッテリーを買っても良いかもしれませんね。やはり定番のパナソニックがおススメです。この場合はヒーターにUSB端子を付ける工作することになります。
USB端子を付けると言っても難しい事をする訳ではありません。充電のためだけの端子では2本のコードを使っているだけですから。



両面テープ 幅19mm 厚み0.8mm 超強力 耐熱用(Scotch 3M KHR-19) - 668円
この両面テープでなくても作成可能ですが、耐熱用とあったので少しお高いですがこちらを使用しました。はがす時に糊が残らない、厚みがあって粘土みたいな感じで扱い易いです。

・マジックテーブ(ダイソー 糊の付いていない縫い付けタイプ 幅25mm) - 100円
両面テープとマジッックテープの幅がちょうど良かったです。

配線コード(持っていたものを使用)
2本のコードが必要なので平行コードだとまとまって良い。ホームセンターでは赤黒のスピーカーケーブルが1m 48円で売っていました。
不要なイヤホンのケーブルも検討しましたが、中の3本の線が細いし絶縁されているのが面倒。
結果、不要な携帯の充電器のコードを使うことにしました。このコードは中に2本のコードが入っていて、外見上は黒の1本のコードなのでスッキリしている。これなら100均でも売ってますね。

この材料であれば1500円以下で作成することができます。

必要な工具

ハンダ、ニッパ、ペンチ、コードプライヤー、はさみ、です。

テスターはあると良いですが必須ではありません。
テスターでニクロム線の抵抗が何Ωと計って、それによって温度が何度で、電池が何Vで、使用可能時間が何時間で、、、と様々なパラメーターがありますが、結局は予定よりも短い長さしか使うことが出来ませんでした。
自分の場合小型のヒーターになるので、両面テープに付けられるニクロム線の長さは限られています。まずは付けられる長さで良いと思います。

作り方

1. ニクロム線を延ばす
ニクロム線の端と端をペンチでつかんで引っ張ります。服を掛けるステンレスのポールを間にして引っ張るとキレイに延ばすことが出来ました。ステンレスの物干し竿でも良いかもしれません。
自分の場合は延ばした状態で1mくらいの長さを用意しました。

2. マジックテープの長さを決める
レンズに巻いて1周プラス着脱に必要な長さで切ります。少し余裕を持って切ります。対になるマジックテープを同じ長さで用意します。

3. マジックテープに穴を開ける
コードを通す穴を片側のマジックテープに開けておきます。
外側のマジックテープにコードを通すと、出来上がった状態でコードが外側に出る事になりますが、そのように作る場合は2枚目の両面テープを貼る時に工夫が必要です。
それと、外側にはマジックテープの柔らかい面(くっつけられる側)の方を使うべきです。くっつく方の面を外側にするとバッグの中の他のモノや、使用中でも服にくっついてしまうなどの事象が発生しやすくなります。

4. 片方のマジックテープに両面テープを貼る
この時レンズに巻き付けた状態で両面テープを貼ると良いです。平らな面で両面テープを貼ってしまうとレンズに巻き付ける時には曲げるので、マジックテープと両面テープの間にズレが生じる場合があります。

5. ニクロム線を両面テープの上に這わせる
自分はニクロム線を2往復させました。


6. コードをマジックテープの穴に通す
コードとニクロム線の両端を合わせます。

7. コードとニクロム線をハンダ付けする
コードをニクロム線に巻き付けてからハンダ付けをします。

8. 両面テープでニクロム線の上に貼り、サンドイッチする
ニクロム線およびコードのある範囲までは両面テープを二重にします。

9. もう一方のマジックテープを貼付ける
指で押し付けてしっかり貼付けます。

10. コードの反対側を電池ボックスに接続する

これで完成です。

電池ボックスは100均で買ったバックル付きのマジックテープで三脚に取り付けています。

自分の防寒対策をバッチリして星空のもとへ出かけましょう〜
ISO 800, F5, 60秒で撮影


0 件のコメント: